葛城市出身で旧新庄町名誉町民であった前川佐美雄は、日本芸術院会員となった高名な歌人です。 新庄図書館に入るとすぐ左側、カウンター横に『前川佐美雄コーナー』があります。氏直筆の書や、初版本をガラスケースの中に展示してあるもので、当館の特色あるコーナーとなっています。直接手に取ることはできませんが、本の装丁や表紙画など、貴重な資料を興味を持って見ていただけます。展示品の入れ替え(不定期)も行っていますので、当館自慢のコレクションをお楽しみください。
故・前川佐美雄 さん(明治36年2月5日生まれ)
明治36年(1903)、新庄町(現葛城市)大字忍海に生をうけ、大正14年(1925)、東洋大学文学科を卒業。在学中より佐佐木信綱氏に師事し、昭和5年(1930)第一歌集「植物祭」を刊行、昭和9年(1934)「日本歌人」を刊行し、モダニズム短歌の旗手として歌壇に登場し、戦前・戦中・戦後を通じて日本歌壇の重鎮として活躍されました。
その作風は一貫して幻想的な浪漫主義で、大和の美を統一した世界を築き、代表作には、「白鳳」「大和」「天平雲」「金剛」「白木黒木」などがあります。これらの功績が認められ平成元年(1989)12月、日本芸術院会員に選ばれ、今後の一層の活躍が期待されていましたが、平成2年(1990)7月15日、惜しまれながら他界されました。 現在、葛城市立新庄図書館には氏関連の資料が多数、おさめられています。
名誉町民の称号は、地方自治の振興、社会福祉の向上、産業経済の発展、学術または文化の振興、その他新庄町の発展に広く貢献し、その功績が特に顕著なもの、または町民が町の誇りとして深く尊敬するものに対して贈られます。 (昭和61年3月31日制定)
昭和61年5月3日、新庄町は、前川佐美雄氏を名誉町民として顕彰いたしました。氏は歌壇の草分けとして知られ、新芸術派運動の推進に大きく貢献されました。
前川佐美雄氏について詳しくは以下のファイルをご覧ください。
前川佐美雄 (PDFファイル: 968.4KB)
『葛城の行事と暮らし』『葛城のむかしばなし』と紙芝居「葛城の昔ばなし」8作 編集:葛城市民話編集委員会、発行:葛城市立図書館
新庄町と當麻町が合併して葛城市が誕生したことを機に、市立図書館では、合併記念事業として「葛城の郷風土記制作事業」を行いました。市内に伝わる民話や伝統行事・行事と昔の暮らしを掘り起こして次世代に伝えることが目的です。本事業において、聞取り取材や資料提供等でご協力いただいた市民の皆様に心より感謝申し上げます。
図書館では、葛城市に伝わる民話を集めて紙芝居を作成しています。ふるさとの民話をお楽しみください。